7UP
私は体が弱く、月に1度は必ず風邪をひく。
そのため、色々な医者にかかってきた。
あれは、もう5,6年前になるだろうか。
私は旅行でハワイに来ていたが、気持ち悪い、だるい、頭痛い、熱があるという悲惨な状態でホテルのベッドから動けなくなっていた。
たまらず近くの医者まで行くと、NBAのキャバリアーズのユニフォームを着て、
左手にびっしりとトライバルの刺青をした浅黒いサモア系のおっさんが、聴診器をぶらぶらさせながら私を出迎えた。
Hey, Boy!! 今日はどうしたんだい?
おっさんはこれから一杯飲みに行こうぜみたいな口調で、テンション高く私に話しかけた。HipHopのBGMがすげー似合いそうだった。
私はおいおいまじか、かんべんしてくれよ。こいつ本当に大丈夫か?などと思いながら、仕方なく体調を怪しげな英語で伝えた。
axe 「ah, my throat is painful..fever and pounding headache....feel sluggish. 助けて」
おっさん「ok, can u open ur mouse?」
とかなんとかやって、薬をもらう段になった。
日本だったら抗生物質と熱冷まし、頭痛薬にうがい薬のセットを貰えるはずだ。通院マニアの俺が言うんだから間違いない。
おっさん「んー、boyは風邪だね。」
axe「俺もそう思うわ。あと俺もう20才だからboyはやめてくれよメーン」
おっさん「いやいや、どうみても13歳だろ、20歳とか・・・え、マジで?」
axe「20歳だよ。いいから薬ください」
おっさん「whoa...アジアの神秘・・・薬なんだけど、いらないんじゃね?」
axe「はぁ?抗生物質と熱冷まし、頭痛薬にうがい薬のセットを貰えるはずだ。
通院マニアの俺が(ry」
おっさん「落ち着けよ、Baby。この程度でそんなに薬漬けにするの良くないぜ。これさえあれば十分だ!」
そうしておっさんは7UPを取り出しました。
axe「これは?」
おっさん「7UPを知らないのかい?とても美味しいよ☆」
axe「ジュースじゃねーか」
おっさん「そうさ、糖分が豊富に含まれている。だから食欲のない君にはぴったりだ。
炭酸のおかげでのどごしだって素敵さ。これ飲んで寝てれば治るぜ。キャバリアーズの優勝に誓って」
axe「今年、キャバリアーズは優勝できねーよ・・・」
その後、キャバリアーズは優勝できない理由について30分の説明、
薬をもらう交渉を15分くらいして頭痛薬と7UPをもらい、ひたすら飲んだのでした。
そうしたら、次の日風邪は綺麗サッパリ治った。
そして、悔しいことに7UPは美味しかった。
それ以来、僕は7UPを愛飲しています。
治ったとはいえ、おっさんは絶対やぶ医者だと思っていたんだけど、
後日、この話をアメリカ人にしたら風邪の時、コーラなどの炭酸ジュースを飲むのは
治療法として一般的だと教えられました。
アメリカ人ぱねえ。